1人で複数アカウントを作り、自演で価格を動かして利益を抜く攻撃。
Tech Buzz Game(Pennock運営)で175 / 4,819人(3.6%)が実行、平均 +$68,567 利益を上げた実証データあり。
1人の人間が複数アカウントを作って、自分で自分の市場を操作してお金を抜く攻撃。
語源は1973年の小説『Sybil』(多重人格者)。元々はP2Pネットワークの研究で命名された分散システム攻撃の総称で、予測市場文脈では「複数アカでpump-and-dump自演」を指す。
DPMは「ベットすると価格が上がる/下がる」動的価格機構。これを悪用する。
シェア比方式(L2-norm)の価格関数:
p_i(q) = κ · q_i / √(q_Y² + q_N²)
q が増えると p が上がる。同じユーザーの別アカが買うとさらに上がる → これが攻撃の入口。
1人のbot使いが Account A と Account B を作る。両方とも初期 $10,000 配布(Tech Buzz Game設定)。
BはAに資金を流すための「捨てアカ」。Aだけが最終的に出金される。各アカに無料seed(Tech Buzz Game は $10k)があれば、複数アカ運用するほど効率的に資金を寄せられる。
"Suppose a trader opens two accounts, A and B. He can transfer money from account B to account A by conducting a sequence of transactions in a market: Account A buys q_A shares of stock i; account B buys q_B shares of stock i; account A sells q_A shares of stock i; and account B sells q_B shares of stock i. After the 4 transactions, both accounts do not hold any stock i, but account A now has more fantasy dollars than before." — Chen, Pennock, Kasturi 2008, §6.2
| カテゴリ | 人数 | 平均純利益 |
|---|---|---|
| Sybil(5分以内に同銘柄逆売買 5回以上) | 175 | +$68,567 |
| 正直なユーザー | 4,644 | −$661 |
| Robot(ランダム) | 100 | −$11,615 |
→ 正直に予測するより、自演ループする方が104倍儲かるという結果。これがDPMの構造的弱点。
| 機構 | 自演ループの利益性 | 理由 |
|---|---|---|
| CDA(Polymarket) | ❌ 不可 | 自分の買いと自分の売りがそのまま match して手数料だけ消える。マッチ相手が必要 |
| LMSR | △ 同じ問題あり | path-independent なので pure round-trip = zero net。だが commissionで構造保護。詳細はLMSR版へ |
| DPM | ✓✓ 起きやすい | 動的価格 × pool方式 × 売却機能 = 自演で価格動かして売却益を抜ける。pure round-trip も path-independent だが、free seed と dividend で profit化 |
L2-norm DPM は path-independent。同じ状態に戻る一連の取引は数学的に ±0。
Tech Buzz Game で $68k 利益が出た理由は:
つまり「pump-dump自体で operator から金を抜く」のではなく、「pump-dumpで自分の seed + dividend を A に集中させる」のが本質。
is_bot=true で全分析除外DPMは「みんなで予測する楽しさ」がある反面、「自分で自分を相手にできてしまう」構造的弱点がある。
LMSRは strict-proper でこの問題が小さい... と言われがちだが、実はLMSRも path-independent なので同じ脆弱性を持つ。→ LMSR版の分析へ。
ミライマはbot検出を前提にDPMを選ぶ=Tech Buzz Gameの教訓を活かすスタンス。運営損失リスクは構造的に0だが、honestユーザーが被害者になり得るので、検出と出金審査で守る。